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那須の歴史を感じるディープなお花見スポット6選

2021年は例年に比べて、かなり早いペースで北上した桜前線。
那須周辺の桜も、3月中に花を咲かせ、いよいよ満開に近づいてきました!

今回は、知る人ぞ知る、隠れた桜の名所をご紹介!
歴史を感じられる場所、パワースポットと言われる所がたくさん登場します。
「風情を感じる場所が好き」「メジャーなスポットでは満足できない」「ゆっくり静かに桜を楽しみたい」という方に、特におすすめです♪

那須周辺のメジャーなお花見スポットはこちらの記事で紹介しておりますので、参考にしてみてくださいね!

那須ガーデンアウトレット周辺【桜の名所・お花見スポット7選】

INDEX

①堂の下の岩観音

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で30分 

のどかな田園風景を楽しみながらやってきたのは、那須町の芦野地区にある「堂の下の岩観音」。

元々は、※芦野石の採掘所だったこの場所。

遠くからでも、そびえ立つ芦野石を見ることができ、どこか神聖な雰囲気が漂います。

中腹にあり、ちょうど桜に包まれているように見える赤い屋根の建物が観音堂。
平成2年に町の文化財に指定されています。

※芦野石:那須町芦野地区の国道294号線に沿った約10kmの地域で採れる安山岩。耐久性・耐熱性に優れ、細工や加工がしやすいのが特徴。石塔や倉庫、石垣、門柱、公共物など様々な用途に用いられてきた。

近づいていくと、菜の花畑が広がり、まるで来る人を歓迎しているかのよう♪
一面の菜の花と桜のコントラストは、まさに春爛漫!

推定樹齢170年の※彼岸桜(ヒガンザクラ)2本は、那須の名木に指定されています。
美しく、どこか気高さを感じる桜です。

※彼岸桜(ヒガンザクラ):本州中部〜西日本に分布する小高木。早期に咲く品種で、春の彼岸(3月20日頃)に開花するため、彼岸桜と名付けられた。花はソメイヨシノよりも小ぶりなのが特徴。

こちらの石段を登って、お堂まで行ってみます。

石段は、煩悩の数と同じ108段。
一つでも多くの煩悩を洗い流せるようにとの、洗心の石段です。

石段を登っていくと、周りは竹林になっていて、歩みを進めるごとに心が安らぐような……
心のデトックスになりそうです。

お堂に到着!
左の岩肌に、かつては観音堂が彫られていたそうですが、現在は風化によってはっきりと見ることはできません。

「堂の下」というのは集落名で、この観音堂から下の集落を指すのだそう。

階段を降りて右手にあるのは、しだれ桜。
ピンク色で可愛らしく、風に柔らかくなびく姿がとても綺麗です。

麗らかでのどか、そしてどこか神聖で心洗われる景色をぜひお楽しみください。

②芦野城跡

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で30分 

通称「御殿山」、また「桜ヶ城」と呼ばれるほどに、古くから桜の名所とされてきた「芦野城跡」。
城下町の趣ある街並みを進んでいくと、美しい桜の山が見えてきます。

駐車場へ続く桜並木も本当に見事。
敷地内には、なんと800本ものソメイヨシノが植えられているのだそうです!

こちらの階段を登って行きます。
芦野城跡はかなり高いところにあるので、焦らず休み休み登りましょう。

階段ではなく坂道もあるので、ベビーカーや車椅子をご利用の方はこちらからお進みくださいね!

登りきった先にあるのは……

お城跡を囲むように咲く桜!
暖かい日には、この開けた場所でピクニックをするのも気持ち良さそうです♪

山一帯が桜で覆われていて、見渡す限り、一面の桜。

ここまで登ってきた甲斐あって、眺めは抜群!
芦野の街並み、学校、遠くの山々まで見渡すことができます。

もっと上へ続く階段を登ると、さらに見晴らしの良い場所に到着!

広々とした公園で桜を眺めながら、お子さんとの時間を楽しんだり、好きな運動をしたり、楽しみ方は様々。
お散歩気分でぜひ足を運んでみてください♪

③武家屋敷のしだれ桜

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で30分 

芦野城跡に来たら、ぜひ合わせてお立ち寄りいただきたいのが「武家屋敷のしだれ桜」。

車で通るだけでも思わず目を奪われてしまう、この大迫力!

推定樹齢は400年!
風情と貫禄ある、圧巻の佇まいです……

この武家屋敷は、芦野氏の家臣で上級武士であった平久江家のお屋敷で、町の文化財として保護されているのだそう。

桜の真下に行ってみると、桜の雨がこぼれ落ちているかのよう!
一度見たら忘れられない、心に残るしだれ桜です。

④遊行柳

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で30分 

鏡山温泉(上の宮)神社の参道脇に佇む柳が「遊行柳(ゆうぎょうやなぎ)」。

水仙も、真っ盛り!
歩きやすく整備されている参道を進んで行きます。

田園風景に溶け込む、アート作品のよう……
柳に寄り添うように桜が植えられ、花を咲かせています。

「遊行」というのは、※時宗(じしゅう)のこと。
※時宗(じしゅう):鎌倉時代末期に興った浄土教の一宗派

室町時代に、時宗19代尊酷上人(そんこくしょうにん)がこの地を訪れ、柳の精の老爺を念仏で成仏させたという宗教上の伝説発祥の地です。

この伝説から、能楽や謡曲の題材に使われ、古くから文化人の間で知られてきた遊行柳。
西行法師、与謝蕪村、松尾芭蕉などがこの遊行柳に思いを寄せ、作品を残しています。

中でも、この遊行柳が世に知られる大きなきっかけとなったのが、松尾芭蕉が「奥の細道」に記述した句。

「田一枚植えて立ち去る柳かな」

意味:「これが※西行法師が訪れた柳かと昔を偲んでいるうちに、目の前では人々が一枚分の田植えを終えてしまった。思いを残しつつ私もここを立ち去る」
(その他複数の解釈ができるとも言われています。)

※西行法師:旅に生きた西行法師は、松尾芭蕉の憧れの人であったと言われる。松尾芭蕉が陸奥(みちのく)へ旅に出たのは西行法師の500回忌に当たる年であった。

遊行柳の駐車場は、すぐそばの「遊行庵」。
ここに車を停め、2〜3分歩いて遊行柳に向かいます。

⑤鏡山温泉(上の宮)神社

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で30分 

遊行柳を奥へ進むと、さらに大きな桜の木が見えてきます。

この美しい桜の門を抜けると鏡山温泉(上の宮)神社に到着です!

鏡山とは、この神社の後ろにある石山のこと。
名前の由来は、「石が鏡を立てたようであるから」とも「形が鏡餅に似ているから」とも言われています。

両脇の太い木がケヤキ、中央には立派な椿が真っ赤な花を咲かせています。
木々たちが青々と茂り、落ち着きのある雰囲気。

そして境内の左側に、一際大きな木があります。

那須町指定の天然記念物である、上の宮(かみのみや)のイチョウです。
なんと幹回りは6.1m!
そして推定樹齢は420年……

安土桃山時代の終わり~江戸時代の初めごろにはここに立っていたと考えると、感慨深くなります。

桜はもちろん、木々たちのパワーを感じられる場所。
遊行柳と鏡山温泉神社、合わせてお立ち寄りくださいね。

(鏡山温泉神社に行く際も、遊行庵の駐車場をご利用ください。)

⑥寺子のエドヒガン

 所要時間:那須ガーデンアウトレットから車で20分 

「寺子の桜」として多くの人に親しまれるこの※エドヒガン。
那須塩原市指定文化財であり、「栃木の名木百選」にも選ばれています。

※エドヒガン:「アズマヒガン」とも呼ばれ、日本各地(北海道以外)に自生する落葉高木。

太い幹が2つに分かれ、左右に大きく枝を伸ばした堂々とした姿。
支柱や囲いが整備され、皆に大切にされているのが伝わってきます。

春になると多くの人が訪れる寺子の桜ですが、誰が植えたかは明らかになっていません。

地元の方々のお話によると、「後ろに広がる墓地に眠る人々の冥福を祈るとともに、墓地の目印として植えられたのでは」と言われているそうです。

推定樹齢350年の歴史を感じる幹とは対照的な、小ぶりで可憐な花。
桜を見に来ていた方たちも、「可愛らしいわ」と話しながらお写真を撮られていました。

ひっそりとした場所にありながら、生命力を感じる寺子の桜。
春になると、“この1本を見るために皆が集まる”そんな不思議なパワーを持っています。

今回ご紹介した他の桜よりも開花が早く、2021年3月30日時点でほぼ満開を迎えていました。
ご覧になりたい方は、お早めに足をお運びいただければと思います。

この春は、那須の隠れた桜の名所へ♪

今回は、あまり知られていない、那須周辺の隠れた桜の名所をご紹介しました。

推定樹齢が何百年という、貴重な桜の木が残されている那須。
風情たっぷりの景色に出会える場所ばかりです。

歴史や文化の香りを感じながら、少し大人な桜の楽しみ方をしたいという方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

皆様が、思い思いの春を満喫できますように♪